Before
大和ハウス工業は、2024年7月より自由設計と規格住宅の「いいとこどり」をした価格を抑えることができる規格・セミオーダー住宅「Smart Made Housing.(スマートメイドハウジング)」を展開していた。人気の高い2,000以上のプランからお客様の好みに合わせたプランを提案する一方で、膨大なプランの中から最適なものを瞬時に選び出すことは営業担当者にとって大きな負担となっていた。
従来の商談では、お客様の要望をヒアリングした後、営業担当者が経験と知識に基づいてプランを検索・選定していた。このプロセスには以下の課題があった。
- 提案の属人化:ベテランと若手の間で提案の質やスピードにばらつきが生じ、顧客体験が担当者に依存していた
- 初回商談の時間ロス:お客様が直感的にイメージしたプランを提案するまでに時間を要し、商談中に即座の比較・検討が困難だった
- 敷地条件とのマッチング:土地の面積や形状といった敷地条件とプランの適合性を瞬時に判断するのが難しかった
AI導入内容
大和ハウス工業は、東京大学発のAIスタートアップである燈株式会社と共同で、新築戸建住宅の購入検討者向けに 「AIプランコンシェルジュ ver.1」 を開発した。燈株式会社は、建設業界やエネルギー・インフラ・製造業などの基幹産業における人手不足や生産性向上の課題に対し、独自のAI技術を駆使したソリューションを提供する企業である。2025年10月2日より、全国の戸建住宅営業担当者がお客様へのプラン提案時に本サービスを活用している。
システムの仕組み
営業担当者が接客時にお客様の建設地の敷地条件や住まいのご要望、ご予算を17項目の質問形式で入力すると、AIが「Smart Made Housing.」の2,000以上のプランの中から、要望への合致度が高い順番にスコアをつけ、数秒で複数のプランを厳選して提案する。家族構成や部屋数、広さ、階数、外観・内観デザイン、新居で重視したいポイントなどを選択できるほか、選択項目にないご要望も自由入力可能である。
AI技術の特徴
- 敷地条件考慮AI:敷地条件まで考慮して検索を行い、プランの配置図案を自動生成する
- 図面解析AI:図面中の文字データだけでなく、各部屋の面積や動線などを瞬時に構造化する
- 解説生成AI:お客様のご要望と住宅図面を統合的に自動解析し、検索されたプランの選定理由や各部屋の特長を解説する文章を自動生成する
利用モードの多様化
用途に応じて適切なプランを検索できる機能に加え、「簡易版」と「詳細版」を用意。大まかなご要望でもスピーディーに提案できる簡易版と、詳細な要望に基づきより精度の高い提案を実現する詳細版を使い分けることで、営業現場の多様なニーズに対応する。
After
AIプランコンシェルジュの導入により、大和ハウス工業の戸建住宅販売は大きく変革した。
営業担当者の提案力向上
AIが各プランの説明文も自動生成するため、営業担当者の知識や経験に依存することなく、一定品質の提案が可能になった。若手からベテランまで同品質のプラン提案ができる環境が整い、顧客体験のばらつきが解消された。
顧客体験の革新
従来は時間を要していた初回商談時のプラン提案が、商談中に即座に行えるようになった。お客様は直感的にイメージしたプランをその場で比較・検討でき、購入検討のスピードと満足度が向上した。
データ駆動型のプラン進化
AIプランコンシェルジュで蓄積したデータを「Smart Made Housing.」のプラン開発にも活かすことで、お客様のご要望により合うプランの厳選と商品進化が実現する。
本取り組みは、日本の戸建住宅業界におけるAI活用の先進的なモデルとして、今後の住宅販売の標準的な形態になる可能性を秘めている。
公開日: 2025年9月30日
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