三菱地所:AI・ロボット・IoTで次世代型施設運営モデルを実現、Society5.0に貢献

AI画像解析、警備ロボット、配送ロボットを統合した次世代型施設運営モデルを大手町・丸の内・有楽町エリアで展開。執務室内フードデリバリー、IoT設備点検、AI画像解析による警備等、Society5.0の未来社会像に近い取り組みを本格化。

+350 台 AIカメラ導入数(丸の内エリア)
数値の信頼性
公式出典あり
画像AI

この事例のポイント

導入効果
+350台 AIカメラ導入数(丸の内エリア)
業種
不動産業
導入分野
生産・製造

Before

三菱地所は労働人口の減少、新型コロナウイルス、働き方改革、ダイバーシティ等のさまざまな社会課題・顧客ニーズを解決・充足するべく、AIテクノロジーを活用した付加価値の高い施設運営モデルの構築に取り組んできた。

これまでにも警備・清掃・運搬ロボットの積極導入や、エレベーター改修工事等を進めてきたが、さらなる進化が必要だった。

執務室内サービスの課題 オフィスワーカーが仕事の手を止めることなく自席から飲食物を注文・受取できる仕組みがない。カフェやレストランへ行く時間や手間が生産性の低下につながっていた。

設備点検の課題 設備機器は設備技術員が目視や定期巡回等で点検しており、人手に頼らない効率的な点検方法が必要だった。また、深刻な設備技術員の不足も懸念されていた。

警備業務の課題 警備員による立動哨が中心で、多種多様な異常検知に対する効率的かつ高度な警備体制が求められていた。また、深刻な警備員不足という社会課題への対応も必要だった。

AI導入内容

2023年4月、三菱地所は大手町・丸の内・有楽町エリアにおいて、次世代型施設運営モデルを本格展開した。

① 執務室内へのロボットフードデリバリーサービス

サービス概要 2023年2月より大手町パークビル(三菱地所本社)において、2種類の配送ロボットがワーカーのモバイルオーダーに応じ、ビル内のカフェやサラダ店の商品を複数フロアの執務室内100カ所以上に完全無人で配送するサービスを開始した。

技術的特徴

  • 経済産業省の「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に参画
  • エレベーターやセキュリティドア等の建物設備とロボットとの通信連携を実現
  • ロボットが建物設備と自動連携する次世代の配送サービス

効果 オフィスワーカーは仕事の手を止めることなく自席から商品を注文・決済・受取を完結できる。

② 警備ロボットを活用したIoT設備点検

システム概要 2022年12月に常盤橋タワーの設備(空調機、冷温水ポンプ)にIoTセンサーやカメラを設置。巡回・立哨警備を行う自律移動型ロボットが警備巡回時にセンサーデータを自動収集して設備を点検するシステムを構築した。

データ活用 得られたデータは、ダイキン工業が開発した「新点検支援システム」のクラウドに集約。機器メンテナンス会社やデータアナリストが遠隔で確認・分析することで、業務効率化、整備・備品交換費用の低減、設備機器のロングライフ化等を実現する。

規制改革への貢献 本取り組みは、デジタル臨時行政調査会がまとめた「デジタル原則に照らした規制(アナログ規制)の一括見直しプラン」の「建築物の空気環境に係る定期測定・点検について」に関連し、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(ビル管法)の法令定期点検の見直しに寄与する。

③ AI画像解析を活用した新たな施設運営管理

システム概要 2023年1月より丸ビル・新丸ビルにおいて、警備会社、AI画像解析ベンダーと協業し、高度な警備体制を構築した。

エッジAIとクラウドのハイブリッド構成(丸の内エリア350台超) 350台を超えるAIカメラは、現場で即時に解析を行う エッジAI(Edge AI) を搭載。膨大な映像データをクラウドに送ることなく、端末側で以下の検知・解析をリアルタイムで実行する。

  • 高度な行動認識(Action Recognition):単なる静止画解析ではなく、時間軸に沿った動作の流れ(転倒、喧嘩・暴力行為等)をAIが動画解析により識別
  • プライバシー保護の徹底:エッジ側で人物をアイコン化・数値化し、個人を特定できない抽象化されたデータのみをクラウドに送信する「Privacy by Design」を実装
検知機能解析技術と内容
見守り対象者検知杖・車椅子等の補助具を物体検出により特定し、要支援者を検知
異常・侵入検知立入禁止区域への侵入や不自然な徘徊(経路解析)を検知
転倒検知人物の姿勢推定(Pose Estimation)により急激な高さ変化と静止を検知
混雑・滞留検知人数カウントと滞留時間の積算により、異常な混雑状況を特定

データ利活用と分析 匿名化された通行量・属性(性別・年代等)データは、エリアマネジメントプラットフォームに集約。天候・イベント情報等と掛け合わせ、機械学習による「人流予測」を行い、店舗運営やイベント企画の最適化に活用している。

After

次世代型施設運営モデルの導入により、三菱地所は以下の効果を達成した。

就業者・来街者への効果

  • 執務室内サービスの利便性向上:ロボットフードデリバリーで、オフィスワーカーの生産性向上に貢献
  • 安心・安全な環境:AI画像解析による異常検知で、より安全な施設利用環境を提供
  • 快適な空間:混雑状況のデータに基づいた最適な施設運営

ビルスタッフ・関係者への効果

  • 設備点検業務の効率化:人手に頼らないIoT設備点検で、業務負担軽減と設備の長寿命化を両立
  • 警備業務の高度化:AIによる検知と警備員の早期派遣の組み合わせで、効率的かつ高度な警備を実現
  • 働き方改革の推進:非効率な業務からの解放により、付加価値の高い業務への従事が可能に

社会課題解決への貢献

  • 警備員不足への対応:AIによる効率的な警備体制で、深刻な警備員不足という社会課題の解決に貢献
  • 設備技術員不足への対応:IoT設備点検で、設備技術員の負担軽減と効率化を実現
  • Society5.0の実現:AI・ロボット・IoT等で人や企業、モノやサービスがつながる新たな価値創出

今後の展開

三菱地所は引き続き、AI・ロボット・IoT等を活用し、以下を推進していく。

  • 多様なニーズに対応したモノやサービスの提供
  • まちに関わる全ての人やステークホルダーがより安心・安全・快適な持続可能な魅力あるまちづくり
  • 「Society5.0」で目指されている社会課題の解決に向けた取り組み

本取り組みは、不動産業界におけるスマートビル・スマートシティの実現に向けた先駆的なモデルとして、国内外から高い関心を集めている。

公式出典あり この事例の効果数値は、企業のプレスリリースまたは公式発表に基づいています。 出典を確認

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公開日: 2023年4月11日

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