Before
レオパレス21はこれまで、来店せずにお部屋探しができる「WEB接客」や「WEB内見」、入居契約後の鍵受け取りのための来店が不要になる「スマートロック」、法人向け電子契約サービス「Leo-sign」等、快適なお部屋探しのための様々な取り組みを行ってきた。2022年8月5日には「DX戦略」を公表し、「想いをつなげるDXで新しい価値を創造する」というDXビジョンの実現に向け、DXを推進していた。
しかし、入居者様に向けたFAQやお問い合わせフォーム等のチャネルは設置していたものの、以下の課題があった。
安定した応答率の確保 従来はオペレーターによる対応が中心であり、問い合わせが集中する時間は連絡が繋がりづらくなることがあった。
FAQの精度向上 検索精度や回答の網羅性に課題があり、入居者が求める情報にたどり着けないケースがあった。
緊急時対応 災害等の緊急事態発生時には、問い合わせが集中し、迅速な対応が困難になる可能性があった。
AI導入内容
2023年2月27日、レオパレス21は株式会社PKSHA Communicationの「PKSHA Voicebot」とカラクリ株式会社の「KARAKURI chatbot」を導入した。
導入システム構成
PKSHA Voicebot(AI音声対話エンジン) 以下の3つのコア技術を連携させ、電話での自然な音声対話を実現している。
- ASR(自動音声認識:Automatic Speech Recognition):入居者の声をリアルタイムで高精度にテキスト化。周囲の雑音(ロードノイズ等)を排除し、必要な音声のみを抽出。
- NLP(自然言語処理:Natural Language Processing):PKSHA独自の対話エンジンが発話の意図を解析。「鍵をなくした」「水漏れしている」といった緊急度や要望を理解。
- TTS(音声合成:Text-to-Speech):導き出された回答を、人間の声に近い自然なイントネーションの合成音声で出力。
エスカレーション(有人連携): AIが「緊急性が高い(火災・事件等)」または「複雑で自動回答が困難」と判断した場合には、即座にコンタクトセンターのオペレーターへ通話を転送するハイブリッド構成。
KARAKURI chatbot(AIチャットボット)
- オムニチャネル対応:Web・LINE等からの問い合わせに対し、チャット形式で応対。ボイスボットとナレッジを共有することで、チャネルを問わず統一された品質の回答を提供。
導入による効果
| 効果カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| 問い合わせ対応の迅速化 | ボイスボット・チャットボットによる自動応答で、対応スピードが向上 |
| 正確な回答提供 | FAQとの連携により、正確な回答を提供可能に |
| 緊急時対応の強化 | 災害等の緊急事態発生時でも問い合わせ可能。BCP対策の強化に繋がる |
After
AI音声対話エンジンとAIチャットボットの導入により、レオパレス21は以下の効果を達成した。
入居者サービスの向上
- 24時間365日対応:AIによる自動応答で、いつでも問い合わせが可能に
- 迅速な回答:問い合わせに対するスピードが向上し、入居者の利便性が向上
- 正確な情報提供:FAQとの連携により、正確な回答を提供
BCP対策の強化 災害等の緊急事態が発生した場合でも、AIによる自動応答で問い合わせ対応が可能になり、事業継続性が向上した。
データ活用によるサービス改善 ボイスボットやチャットボットを通じて蓄積されたデータを分析することで、以下が可能になった。
- 問い合わせ内容の傾向把握
- 入居者の要望の可視化
- サービス改善点の明確化
今後の展望
レオパレス21は以下の展開を検討している。
- 応答精度の向上:学習データを蓄積させることで、応答精度をさらに向上
- 対応範囲の拡大:入居中の問い合わせ対応だけでなく、お部屋探しをする方のサポート等への範囲拡大
- サービス品質の向上:データ分析により、サービスの改善および品質向上を継続的に実施
本取り組みは、不動産業界におけるAI活用による顧客体験向上の先駆的事例として評価されている。PKSHA Communicationは「人とソフトウエアの共進化」というビジョンのもと、賃貸領域における新たな顧客体験事例の実現を目指している。
公開日: 2023年3月3日
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