東急リバブル:生成AIチャット「Tellus Talk」でパーソナライズされた不動産相談を実現

Claude-3.5 Sonnetを採用した生成AI対話型チャットサービス。月平均914万PVの接客対象ページに導入し、購入・売却に関する個別ニーズに応じた最適解を24時間提供。離脱率改善とコンバージョン増加を目指す。

+914 万PV/月(サイト訪問量)
数値の信頼性
公式出典あり
RAG

この事例のポイント

導入効果
+914万PV/月(サイト訪問量)
業種
不動産業

Before

東急リバブルのホームページは月平均914万ページビュー(2023年度実績)を記録する大規模サイトである。不動産物件情報やサービス情報、取引に関する様々な情報を提供しているが、以下の課題があった。

情報発見の困難さ 掲載された膨大な情報から顧客が必要なものを自ら見つけ出さなければならず、必要な情報に到達できないケースが存在した。特に不動産取引は人生で数回しか経験しない人が多く、「何をどう調べればいいかわからない」という状態でサイトに訪れる顧客にとって、既存の検索・閲覧型インターフェースは使いにくいものだった。

対応時間の限界 売却相談関連ページでは「有人チャット」による対応を行っていたが、夜間等の人員を配置できない時間帯はチャットボットによる対応に切り替える必要があった。また、購入相談を含めた様々な不動産ニーズを持つ訪問者一人ひとりに最適な顧客体験を提供できていないという課題もあった。

パーソナライズの不足 従来のチャットボットはルールベースであり、「東京タワーが見える物件がいい」「親と同居するための物件を探したい」といった個別のニーズや文脈を理解した対話が困難だった。

AI導入内容

2025年3月27日、東急リバブルは株式会社電通デジタルおよび株式会社電通と共同で、生成AIを活用した対話型チャットサービス「Tellus Talk(テラストーク):β版」を開発・公開した。

システム構成

基盤モデル:Claude-3.5 Sonnet Anthropic社の最新モデルを採用。前世代に比べ、特に論理的推論(Reasoning)能力と長文読解能力が飛躍的に向上している。

  • 高度な文脈理解(Context Awareness):不動産売買という長く複雑な検討プロセスにおいて、これまでの対話履歴を正確に保持。複数の条件(予算、エリア、家族構成、ライフスタイル等)が入り混じった質問に対しても、矛盾のない一貫した回答を生成する。
  • 複雑なニーズの構造化:例えば「資産価値重視だが、子育て環境も譲れない」といった、トレードオフの関係にあるニーズをAIが解釈し、論理的な優先順位付けと提案を行う。

キャラクター設計とプロンプトエンジニアリング 「Tellus(テラス)」としてのパーソナリティを確立するため、数千件のトップ営業マンの接客ログを基にシステムプロンプトを最適化。専門知識の正確性と、親しみやすい「寄り添い」のトーンを両立させている。

購入・売却両方の相談対応 当初は売買仲介関連の質問に対応可能。購入相談と売却相談の両方に対応し、顧客の状況に合わせた情報提供を行う。

プロの営業担当に近い水準の回答 長年にわたって蓄積された東急リバブルのノウハウやデータが活用されており、プロの営業担当に近い水準の回答を24時間提供する。

展開エリア

当社ホームページの購入・売却ページ(接客対象ページ)に配置。サイト内でのお客様とのコミュニケーション強化を通じて、離脱率の改善とサイト内回遊の促進によるコンバージョンの増加を目指している。

After

Tellus Talkの導入により、東急リバブルは以下の効果を期待している。

顧客体験の向上

  • 24時間いつでも対話可能:人員配置に依存しない自動応対により、夜間や早朝でも即座に相談可能に
  • パーソナライズされた情報提供:個別のニーズを理解し、最適な情報を提供
  • 知りたいこと・気づかなかったことの発見:AIとの対話を通じて、顧客自身が気づいていなかったニーズや選択肢を発見できる環境を提供

ビジネスインパクト(期待効果)

  • 離脱率の改善:適切な情報提供により、サイト離脱を抑制
  • コンバージョンの増加:サイト内回遊の促進により、問い合わせ・来店につながる確率を向上
  • 営業効率の向上:事前にAIで十分な情報収集が完了した顧客との商談になり、質の高い接客が可能に

他のAIシステムとの連携

東急リバブルはTellus Talk以外にも、以下のAIシステムを開発・運用しており、統合的なDX推進を行っている。

システム名特許・状況機能
不動産の価格査定AIシステム特許第7437560号(2024年2月登録)AIによる高精度価格査定
CRACK SCANNER特許第7124995号(2022年8月登録)クラック画像診断AI
新築マンションレコメンドAIシステム2024年4月サービス開始新築マンションのパーソナライズ推薦

これらのAIシステムとTellus Talkを連携させることで、より高度な顧客体験の提供を目指している。

今後の展開 β版としての運用を経て、対応領域の拡大や機能強化を図り、不動産取引における顧客体験の変革を推進していく方針である。

公式出典あり この事例の効果数値は、企業のプレスリリースまたは公式発表に基づいています。 出典を確認

この記事をシェア

X でシェア Facebook LINE

公開日: 2025年3月27日

事例一覧に戻る