リコー:DifyによるAI市民開発で非定型業務を効率化、全社4300人が活用

ノーコード生成AIプラットフォーム「Dify」を導入し、約4300人の社員が業務に活用。審査業務の自動化や業界情報収集の効率化を実現し、現場主体のDX文化を醸成。

+4300 人がDifyを業務活用
数値の信頼性
公式出典あり
AIエージェント

この事例のポイント

導入効果
+4300人がDifyを業務活用
業種
製造業

Before

リコーは2018年からデジタル技術を活用した業務改革「プロセスDX」を推進してきた。RPAなどを用いた現場主体のDXにより、定型業務の自動化は進んだものの、問い合わせ対応や分析業務、報告書作成といった非定型業務の効率化は困難であった。

特に課題となっていたのは審査業務の属人化である。社内の各種審査は基準が不明瞭であり、担当者が変わると基準が引き継がれないケースが散見された。また、公平さが失われやすく、審査品質のブレが生じていた。これらの業務はルールベースのRPAでは対応できず、生成AIアプリの開発には専門知識や開発リソースが求められるため、現場の業務負荷は変わらなかった。

さらに、業界情報の収集・共有も人の手作業に依存しており、幅広くタイムリーな情報収集が難しく、鮮度の高い情報を効率的に得ることができない状況にあった。業務改善のアイデアは現場にあったとしても、技術的な壁の前に形にすることができないケースが多かった。

AI導入内容

2024年、リコーは生成AIアプリ開発プラットフォーム 「Dify」 の開発元であるLangGenius社とパートナー契約を締結。プロセスDXのツールとしてDifyのCoE(Center of Excellence)構築に着手した。2024年末からデジタルサービスビジネスユニットでマーケティング支援等で活用を開始し、2025年1月から希望するユーザーの先行実践、8月から全社展開をスタートさせた。

Difyの特徴と導入アプローチ

Difyはプログラミングの専門知識を使わずに、ブロックをつなげるような感覚的な操作でAIアプリを作成できるノーコード開発プラットフォームである。これにより、業務を最もよく知る現場の社員が、業務にフィットした生成AIアプリを柔軟に開発できる環境が整った。

リコーの導入アプローチは「現場主体」を徹底している。ものづくりの会社として品質にこだわる同社の文化を活かし、「まずは自分でやってみよう」というマインドを醸成。社内向けに「コミュニティラウンジ」を設置し、社員同士がオンラインで情報交換できる環境を整備した。

主な活用事例

社内審査エージェントアプリ 生成AIに審査のステップや審査基準の情報を与えることで、さまざまな社内審査を自動化するアプリ。基準の明確化と省力化を同時に実現し、公平な審査ができるようになった。

業界情報収集・共有アプリ 人の手作業よりも幅広くタイムリーな情報収集が可能となり、効率的に鮮度の高い情報を得られるようになった。

全社展開の仕組み

2025年8月1日には「Difyでできた!みんなのワクワク事例発表大会」を開催し、1000人以上が参加。社内の成功事例を共有することで、市民開発の文化を加速させた。2025年9月時点で、開発権限のあるアカウントを持つ社員は約2000人、アプリ使用のみの登録も含めると約4300人の社員がDifyを業務に活用している。

After

Difyの導入により、リコーは以下の成果を達成した。

市民開発文化の確立

約4300人の社員がDifyを業務に活用し、現場主体のDXが常态となった。開発権限を持つ約2000人のアカウントオーナーが、自らのアイデアで業務課題を解決している。これまで接点がなかった社員同士がアプリの開発や活用で助け合うなど、社内のコミュニケーションやコラボレーションも活発化した。

審査業務の質的向上

社内審査エージェントアプリにより、審査業務の属人化が解消。基準の明確化と省力化を同時に実現し、公平な審査ができるようになった。担当者の変更時でも基準が確実に引き継がれ、業務の質が向上した。

情報収集の効率化

業界情報収集・共有アプリにより、人の手作業では不可能だった幅広くタイムリーな情報収集が実現。効率的に鮮度の高い情報を得られるようになり、意思決定の質が向上した。

顧客支援への展開

リコーはDifyエンタープライズ版の販売・構築パートナーとして、利用環境の構築や伴走支援といった顧客支援を展開。社内実践の成果を活かし、営業担当が開発した営業支援アプリを顧客にも提供するなど、現場が自らアプリを作って実感した価値を顧客に届けている。

リコーは「はたらくに歓びを」という理念のもと、Difyを通じて社内外の”はたらく歓び”を創出し続けている。DXの活動を「工数削減」というマイナスの発想から脱却し、業務の質を一段も二段も上げる「クリエイティブに働くための業務改善」へと刷新している。

公式出典あり この事例の効果数値は、企業のプレスリリースまたは公式発表に基づいています。 出典を確認

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公開日: 2025年1月1日

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