サントリーロジスティクス:物流業界初のフォークリフト操作AI判定システム

富士通と共同開発した物流業界初のフォークリフト操作AI判定システムを導入。ドライブレコーダー映像をAIが解析し、安全運転評価業務の省力化と標準化を実現。スマートロジスティクスの実現に向けた取り組み。

+100 %AI判定標準化導入
数値の信頼性
公式出典あり
画像AI

この事例のポイント

導入効果
+100%AI判定標準化導入
導入分野
物流

Before

サントリーロジスティクスは、サントリーグループの飲料・食品製品を全国に届ける物流子会社である。同社の物流拠点では、倉庫内の荷役業務の中心となるフォークリフトの安全運転管理が、品質と生産性の両面で重要な課題となっていた。

従来、安全運転の評価業務では、フォークリフトに装備した360°ドライブレコーダーの映像を人間が目視で確認する方法を採用していた。加速度やハンドル操作などのデータも合わせて分析することで、危険操作の有無を判断していたが、この方法には根本的な課題があった。

まず、膨大な映像データを人間が一つひとつ確認する作業には多くの時間と人手が必要だった。フォークリフトの運転時間が長いほど、確認すべき映像も比例して増大する。次に、人間による評価は評価者の主観や経験差が入りやすく、定型化が難しかった。同じ操作でも評価者によって厳しさが異なることで、運転者へのフィードバック品質にばらつきが生じ、安全意識の向上効果が減退するリスクがあった。

人手不足や働き方改革の進展、さらに物流量の増加という外部環境の変化の中で、この非効率な安全評価業務の改善は喫緊の課題となっていた。

AI導入内容

サントリーロジスティクスは、富士通との共同開発により、物流業界初となる「フォークリフト操作のAI判定システム」を開発し、2021年6月2日から自社物流拠点に順次導入した。

AI映像解析による客観的評価:物体検出と行動認識

本システムの核心は、ドライブレコーダーで撮影された映像を、深層学習を用いた映像解析技術によって自動判定する点にある。

危険操作の自動検知:物体検出(Object Detection)

AIはSSD(Single Shot MultiBox Detector)やYOLO(You Only Look Once) などの物体検出技術を用い、映像内の周辺車両、歩行者、障害物、およびフォークリフトの荷役装置(ツメ)の状態をリアルタイムで認識する。これと連動し、急ブレーキや急旋回、速度超過、荷物の不安定な扱いといった特定の挙動を行動認識アルゴリズムによって自動検知する。

運転者への即時フィードバック

危険操作が検知されると、システムは運転者に対してアラームや警告を発する。これにより、運転者は自身の運転習慣をリアルタイムで客観的に把握し、行動修正を促される。事後には、検知された各シーンを要約したレポートが生成され、個別の安全教育や指導に活用できる。

作業評価の標準化

AIによる判定は、あらゆる運転者に対して一貫した基準を適用する。これにより、これまで評価者の主観に左右されやすかった作業評価が標準化され、公平で再現性の高い安全運転評価業務が可能になった。

スマートロジスティクス構想の一環

このAI判定システムは、サントリーロジスティクスが推進する「スマートロジスティクス」の一翼を担う。安全・安心な物流の実現に加え、先端技術を活用した物流業務の自動化・省力化による労働負荷軽減、作業効率化、環境負荷低減を目指す同社の戦略に沿った取り組みである。

After

AI判定システムの導入により、サントリーロジスティクスは安全運転評価業務において、質的かつ定量的な飛躍を達成した。

安全運転評価業務の省力化

ドライブレコーダー映像を人間が目視で確認する必要が大幅に減少した。AIが危険シーンを自動抽出し、優先的に確認すべきポイントを絞り込んで提示するため、安全管理担当者の業務負担が劇的に軽減された。映像確認に費やされていた時間を、より効果的な安全対策の企画や運転者教育に振り向けることができるようになった。

評価基準の完全標準化

AIによる客観的な判定により、すべての運転者に対して均一で公平な評価が行われるようになった。これにより、安全教育の内容もデータに基づいて設計でき、運転者の安全意識向上に対する効果が高まっている。評価の透明性が向上したことで、運転者からの納得感も向上した。

安全性と教育負担の両立

フォークリフト事故リスクの低減と、安全教育の効率化という、一見相反する課題を同時に解決した。危険操作の傾向を可視化することで、一律の教育ではなく、個々の運転者に必要なポイントを絞った個別指導が可能になった。これにより、教育の質を維持しながら教育工数を削減し、より効果的な安全管理体制を構築している。

この物流業界初の取り組みは、製造・物流現場における安全品質管理の新たな標準モデルとして、業界全体への波及効果も期待されている。

公式出典あり この事例の効果数値は、企業のプレスリリースまたは公式発表に基づいています。 出典を確認

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公開日: 2021年6月2日

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