ソリマチ:AIエージェント開発者養成講座で設計思想を「AIファースト」に転換

50年以上の会計ソフト開発で培ったナレッジを活かし、AIエージェントを事業に組み込むための設計思想を見直し。「AIファースト」のアプローチで新規サービス開発を推進。

+50 %業務効率化(目標)
数値の信頼性
公式出典あり
AIエージェント 言語AI

この事例のポイント

導入効果
+50%業務効率化(目標)
業種
士業
導入分野
会計

Before

ソリマチ株式会社は、中小企業・個人事業主・農業経営者・会計事務所向けに会計・給与・販売管理などのバックオフィス関連ソフトウェアを開発・提供するIT企業である。1972年の創業以来、全国各地に営業やサポートのネットワークを構築し、地域や業種ごとの業務特性に寄り添ったサービスを展開してきた。特に新潟で設立された背景から、農業分野での会計・経営管理ソフトにも強みを持つ。

50年以上にわたり、定量・定性の業務データや会計ソフトのナレッジを蓄積してきた同社だが、AI技術の活用については「技術的にできること」と「運用できること」の間で壁に直面していた。生成AIを事業のどこに使うべきか、品質をどう定義・担保するか、セキュリティやリスク管理の観点でどう考えるかなど、慎重に見極める必要がある課題が山積していた。

既存のパッケージソフトやSaaSにAIを後付けで組み込むだけでは不十分だと気づき、そもそもの設計や前提を見直す必要に迫られていた。しかし、どのベンダーに相談しても「コーディングや運用方法までは教えられない」と返ってくることが多く、本当に必要な「運用設計の考え方や実務での回し方」を学ぶ場所に悩んでいた。

AI導入内容

ソリマチは株式会社ジェネラティブエージェンツ(GA)が提供する「AIエージェント開発者養成講座実践コース」に参画した。LangChainやLangGraphを用いたAIエージェント開発の実装だけでなく、運用設計やビジネスとして成立させる視点まで体系的に学ぶことを目的としたプログラムである。

講座での学びと気づき

講座を通じて、ソリマチの開発チームは以下の重要な学びを得た。

「AIファースト」への設計思想転換

当初は既存のお客様に提供している価値をAIで補完したり機能を追加したりしようという発想だったが、AIは後付けの機能ではなく、提供価値そのものを設計する段階から組み込む必要があると気づいた。いわばAIファーストで、まずはAIに何を任せて人間はどこを担うのかを整理し、それを新規企画の設計段階から取り入れるアプローチに転換した。

技術とビジネスの両立

AIやAIエージェントは何でもできる魔法のように語られがちだが、実際には「できること・できないこと」が明確であるべきだと理解した。モデルを更新すれば終わりではなく、プロンプトや設計、運用をビジネスとして成立させる視点を得た。

実装から運用までの一貫した考え方

実装すること自体が目的にならないよう、AIエージェントでサービスを作った「その先」まで考える必要性を学んだ。評価セットをどう回すか、品質目標をどう定義するかなど、実務で使いこなすための運用設計の考え方を体系的に習得した。

技術的アプローチ

新規事業では、蓄積された50年分の業務・会計データやドメイン知識をコンテキストとして活用し、高度な経営診断レポートを生成する「AIエージェント・エンジン」を構築。

LangGraphによる状態管理と推論ループ 単なる一方向のプロンプト処理ではなく、LangGraphを活用した循環型ワークフローを採用。AIが生成した診断結果を別のエージェントが「専門家の視点」でクリティーク(批判的検証)し、必要に応じて再生成するループを実装することで、会計データとしての正確性と納得感を担保している。

マルチエージェントによる役割分担 「データ集計」「業界分析」「経営アドバイス生成」など、役割の異なる複数のエージェントを協調させる設計思想を導入。これにより、複雑な会計基準や税務知識を反映しつつ、ユーザーの事業状況に最適化されたパーソナライズ・レポートの自動生成を模索している。

評価セット(Golden Dataset)による品質管理 AIエージェントの出力品質を定量的に評価するため、過去の熟練コンサルタントによる診断事例を「評価セット」として整備。継続的なリリースを前提に、プロンプトの変更が全体の品質にどう影響するかを自動テストで監視する開発プロセスへの転換を図っている。

After

講座受講後、ソリマチは新規事業の設計段階からAIを組み込む「AIファースト」のアプローチを徹底し、以下のような変化を実現しつつある。

定型的業務での効率化

特に定型的な業務で確実な効率化が進む見込みとなっている。AIエージェントの導入により、メンバー全員が定時で業務を終えられる環境が現実的になりつつある。

人間が担うべき役割の再定義

「十人月」という考え方の中で、7人を人間のSE、3人をAIという役割分担の世界が見えてきた。AIは一緒にお酒が飲めない。人間らしさや価値はそんなところにあると気づき、人を動かすための企画を考え、提案し、言葉を尽くす部分に人間が専念する体制を構築しつつある。

技術力とビジネスパーソンとしての成長

AIエージェントという新たな分野への挑戦は、技術力を向上させるだけでなく、ビジネスパーソンとしての志を再考するきっかけにもなった。AI導入は「幻想」ではなく、業務設計や運用設計が伴わなければ実現しないという現実的な理解を深め、失敗を事前に回避できる体制を整えつつある。

ソリマチは今後も、会計・バックオフィス領域で50年以上培ってきた強みを活かしつつ、AIエージェント技術を核とした新たなサービス展開を通じて、中小企業や個人事業主のDX化を支援し続ける。

公式出典あり この事例の効果数値は、企業のプレスリリースまたは公式発表に基づいています。 出典を確認

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公開日: 2026年1月15日

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