Before
石川県野々市市郷町290-1に所在する「焼肉 ホルモン光 松任店」は、石川県内に4店舗を構える株式会社ショウコーポレーションが運営する大型焼肉店である。席数132席、スタッフ数は最大20名と、中規模店舗ながら広い店内を持つ。鮮度の良いカルビやハラミをファミリーや学生向けに安価に提供しており、名物のホソ焼きは特製のだしにつけて食べるスタイルが人気だ。平日でも満席になる程の人気店で、歓送迎会やご家族のお食事などさまざまなシーンで活用されている。広い店内には個室も完備しており、大人数の宴会から少人数の家族食事まで幅広く対応できる。学生グループには安価な食べ放題コースが人気で、ファミリー層にはお子様メニューも充実している。
しかし、店舗が大きい分、アルバイトスタッフの人員確保も難しく、飲食店の宿命でもある人手不足に悩むことが増えていた。スタッフの多くは大学生で、どうしても卒業シーズンになると一気に退職してしまう一方、店舗周辺の飲食店でも求人は出ているので、求人コストを上げてもなかなか採用ができず、人手不足に陥ってしまいそうでした。佐々木代表取締役は「焼肉 ホルモン光の中でも、松任店は132席の大型店舗です。平日でも満席になるため、さまざまなシーンで活用いただける広い店内を、配膳ロボット導入まではスタッフ10〜20名ほどがシフト勤務で、配膳やお客様対応、テーブルリセットなどを行っていました」と振り返る。
特に132席という広い店内では、厨房から客席までの配膳距離が長く、重量のあるお皿が乗ったお盆を運ぶ業務がスタッフの体力を消耗させていた。深夜帯など時給が上がる時間帯には多くのスタッフを配置する必要があり、人件費の圧迫も課題となっていた。また、配膳に時間が取られることで、テーブルリセットやお客様との接客が後回しになり、席回転率や顧客満足度にも影響が出ていた。周辺には同業他店も多く、時給を上げても応募者が集まらない採用競争が続いており、新しい働き方で差別化する必要に迫られていた。
AI導入内容
BellaBotのテスト導入と本導入
人手不足と業務効率化を目指し、東芝テック株式会社からネコ型配膳ロボット 「BellaBot(ベラボット)」 をテスト導入した。DFA Roboticsは配膳ロボットの店舗設置・導入を担当。主に配膳用としてテストし、重量のあるお皿が乗ったお盆をスタッフが一度に複数運ぶことが難しかったのですが、BellaBotは1度に最大4膳運ぶことができるため、負担軽減と業務効率に繋がると判断した。
テスト導入の結果、BellaBotは132席の広い店内でもスムーズに走行でき、お客様からも「かわいい」「面白い」と好評であったことから、本導入を決定。ネコ型の愛らしいデザインは、ファミリー客や子連れ客に特に受けが良く、来店の楽しみの一つにもなっている。BellaBotはAIナビゲーション機能を搭載しており、店内のマッピングデータとセンサー情報を基に、障害物や人を避けながら指定されたテーブルまで正確に料理を運ぶ。お客様が料理を取ると、カメラで自動検知して厨房に戻る利便性も高い。背面のディスプレイには季節のおすすめメニューを表示でき、移動しながら自然と客の目に留まる販促効果もある。
深夜帯の運用改善
本導入後は深夜帯やディナー前の時間帯を中心にBellaBotを活用。お客様の少ない時間帯に配膳ロボットを担わせることで、就業時間内にスタッフの業務が完了し、残業することがなくなった。以前は配膳に当てていた時間で、バッシングやテーブルリセット、お客様対応ができているからです。10名程度の大人数のスタッフがそのように働き方が変わったことで、プラス一人分の作業工数を、配膳ロボットが担ってくれている。
After
BellaBot導入により、焼肉 ホルモン光 松任店は以下の成果を達成した。
1人分の業務工数を代替
配膳ロボットがプラス1人分の作業工数を担うようになり、スタッフの業務負荷が大幅に軽減された。特に132席の広い店内では、厨房から客席までの移動距離が長く、配膳に多くの時間と体力を要していたが、BellaBotがその負担を吸収した。スタッフはお客様との接客やテーブルリセット、ドリンクの提供など、人にしかできないサービスに集中できるようになった。腰や膝への負担が減り、長期的な健康面でのメリットも大きい。
深夜帯の残業ゼロ
時給が上がる深夜帯に配膳ロボットを活用することで、就業時間内にスタッフの業務が完了し、残業することがなくなった。これにより深夜帯の人件費を最適化し、スタッフのワークライフバランスも改善された。学生アルバイトからも「深夜のシフトが楽になった」と好評で、定着率の向上にも寄与している。
接客品質の向上
配膳の時間が削減されたことで、スタッフはテーブル周りの気配りや追加注文の提案に時間を割けるようになった。特に焼肉店では、網の交換タイミングや火加減のアドバイスなど、スタッフがテーブルに立つ機会が増えることで顧客満足度が向上している。お客様からも「スタッフの対応が早くなった」「注文してから料理が届くのが速い」との声が寄せられている。
採用競争力の強化
配膳ロボットがあることで、「重いお盆を運ばなくて済む」「残業が少ない」という職場環境が求人の魅力につながっている。周辺の飲食店と応募者の取り合いが続く中、働きやすい環境は採用における差別化要因となっている。佐々木代表取締役は「まだ人員的に余裕があるうちに、新しいシステムを活用して店舗運営に必要な人数を削減しようと思っていた。配膳ロボットの導入は、その思いを形にした第一歩だ」と語る。
お客様からの新たな来店動機
ロボットの導入は業務効率化だけでなく、マーケティング効果も生んでいる。子連れのファミリー客からは「ロボットが配膳に来るのを楽しみにしている」との声が多く、SNSへの投稿も増えた。無料の口コミ拡散効果も得られており、若年層の新規客獲得にも寄与している。今後も他店舗への展開を視野に入れ、中規模焼肉店の持続可能な運営モデルを構築していく。
公開日: 2023年6月29日
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