Before
SEGAは、ビデオゲーム業界の先駆者であり、90年代のGenesisコンソールやSonic the Hedgehogフランチャイズから、現代のトランスメディアパワーハウスへと進化してきた。同社のミッションは、ゲームとエンターテインメントを通じて、世界中のオーディエンスに没入型のインタラクティブな世界を創造し続けることにある。
SEGA Europeのデータ戦略は、プレイヤーエクスペリエンス、顧客維持、営業業務と予測という3つの重要なビジネス領域でデータ活用を推進していた。Felix Baker氏(SEGA Europe Head of Data Services)は説明する。「ゲームプレイデータを分析することで、ゲームメカニクスを調整してプレイアビリティとエンゲージメントを高め、最終的にプレイヤー維持率を向上させることができる」。
しかし、Databricks Data Intelligence Platformを導入する前は、SEGA Europeは圧倒的なデータリソースを十分に活用できていなかった。100以上のビデオゲームから4,000万人以上のプレイヤーに対し、毎秒5万件のイベントを収集する速率でデータが集積される中、データ統合、品質、アクセシビリティに課題を抱えていた。「インテリジェントなデータビジネスになるためには、データの正確性を確保し、データのアクセシビリティと民主化を進め、LLMの構築・トレーニング・デプロイ能力を向上させる必要があった」とBaker氏は振り返る。
データの「正確性」を確保することは、正確でタイムリーかつ高品質な分析と機械学習に不可欠な単一の真実源(single source of truth)の構築を意味した。データの民主化は、技術的専門知識に関係なく組織全体のチームが必要なデータに即座にアクセスできるようにすることを目指していた。
AI導入内容
2020年、SEGA EuropeはDatabricks Data Intelligence Platformとの変革的な旅を開始し、すべてのデータをDelta Lakeに統合した。マーケティング、顧客調査、ゲーム分析、さらにはゲームアセットまで、構造化データと非構造化データの両方を包括的なデータ環境に取り込んだ。
データ統合と単一真実源の確立
SEGA Europeは、Delta Lakeの統一アーキテクチャとLakehouse Federationを活用し、Redshift、BigQuery、SQL Serverなどのグローバルデータベースに散在するデータを一元化した。Unity Catalogによるガバナンスにより、一貫性と信頼性が確保された。「異なるデータソースをすべて同じネットワーク内でクエリでき、Feature Tablesが主要KPIと特徴量の一貫性を維持しているのは驚くべきことだ」とBaker氏は述べる。「エンジニアもアナリストも科学家も、日次・月次アクティブユーザー、離脱率、特定のタイトルの維持率など、同じデータを参照できる単一の真実源を持てるようになった」。
データ民主化とAI/BI Genie
Databricks SQLとAI/BI Genieの導入により、非技術者も含む各部門のユーザーがプレーン英語でデータにアクセスできるようになった。「Databricks SQLは分析ワークロードに驚異的な速度を提供した。AutoMLにより、データ科学家でなくても数分で機械学習のユースケースを試せるようになった。以前は決して不可能だった」。
Genieは、エグゼクティブやマーケティング、財務のリーダーが必要なデータをプレーン英語だけで取得できるようにし、組織全体の意思決定を加速した。「エンジニアや科学家は機械学習ワークロードやストリーミングユースケースにノートブックを使用し、アナリストはSQLエディターを使用する。一方、エグゼクティブや他のリーダーはGenieを使って必要なデータにアクセスできる。まさに信じられない」。
プレイヤー感情分析LLM
生成AIモデルを活用して、1日に数万件のユーザーレビューを翻訳・分析するシステムを構築。ゲーム関連の問題を効果的に特定し対処できるようになった。この継続的な感情モニタリングループにより、特定のSEGAタイトルのプレイヤー維持率が大幅に向上した。
After
Databricksへの移行により、SEGA Europeはデータ戦略における重要なマイルストーンを達成した。
インサイト取得速度:10倍高速化
AI/BI Genieの導入により、エグゼクティブ、エンジニア、マーケター、マネージャーが重要なビジネス疑問に即座に回答を得られるようになった。例えば、「Game Xが中国での過去3ヶ月の売上は前年同期と比較してどうか」という問いに、部門間のメール往復を待つことなく即座にアクション可能なインサイトが得られる。「エグゼクティブは、Game Xが中国で過去3ヶ月間どのように売れているか、前年と比較してどうかを即座に把握し、待つ必要がなくなった」。
プレイヤー維持率の向上
1日1万件以上のユーザーレビューをAIで分析することで、ゲームプレイの問題を迅速に特定・対処できる体制が確立された。この継続的な感情モニタリングにより、特定のタイトルのプレイヤー維持率が向上し、顧客満足度の維持に貢献している。
データリテラシーの向上
Genieがスプレッドシート、円グラフ、棒グラフなど様々な形式へのデータ出力をプレーン英語のコマンドでカスタマイズできるようになり、組織全体のデータリテラシーが向上。より多くの従業員がデータ駆動型の意思決定を行える環境が整った。
今後の展望
現在のAIアプリケーションの成功を足がかりに、ゲーム開発とマーケティング戦略のさらなる自動化への道が開かれた。Francis Hart氏(VP, Data and AI, SEGA Europe)はまとめる。「Databricksとのパートナーシップは、SEGA Europeにとってゲームチェンジャーだ。データを統合し、アクセスしやすくすることで、リアルタイムのインサイトを導き出し、機械学習のデプロイを加速できた。Databricksでどのような他のイノベーションを推進できるか、期待している」。
SEGA Europeの取り組みは、エンターテインメント業界において、膨大なプレイヤーデータをAIで活用し、ゲーム品質と顧客体験を継続的に改善する先進的モデルとなっている。
公開日: 2024年3月1日
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