Golden State Warriors:Vertex AIで18,000席のファン体験をパーソナライズ

NBAフランチャイズがVertex AI Discovery Engineでコンテンツ推薦システムを構築。試合・コンサート・小売在庫を統合し、18,000席それぞれにパーソナライズされた体験を提供。

+18064 通りの異なる体験
数値の信頼性
公式出典あり
予測AI

この事例のポイント

導入効果
+18064通りの異なる体験
業種
娯楽業
導入分野
マーケティング

Before

Golden State Warriorsは1946年創設の歴史あるNBAフランチャイズであり、7回の優勝を誇る。2019年に新本拠地Chase Centerに移転して以来、スポーツとエンターテインメントを融合させた「バスケットをやるメディア・エンタメ企業」への変革を推進している。年間82試合のレギュラーシーズンに加え、Chase Centerでは年150イベント以上(コンサート、ファミリーショー、コミュニティイベントなど)を開催している。

しかし、コンテンツのパーソナライゼーションに大きな課題があった。試合後にはゲームプレビュー、ハイライト動画、選手別映像、フォトギャラリーなど大量のコンテンツが生成されるが、従来は全ファンに同じコンテンツを配信していた。Chase Centerの18,064席は、18,064通りの異なる体験を求めていると言っても過言ではない。限られた技術リソースの中で、エンタープライズ級のパーソナライゼーションを実現する必要があった。

AI導入内容

WarriorsはGoogle CloudのVertex AI、特にDiscovery Engine(Recommendations AI)を活用した推薦エンジンを構築した。2017年から蓄積してきたBigQuery上のデータ資産を基盤としている。

データインジェスション層

システムは以下の多様なデータソースを統合する。

  • イベントデータ:Chase CenterとThrive Cityで開催される全試合・イベント情報
  • コンテンツデータ:CMSからのニュース記事、ゲームハイライト、動画、フォトギャラリー
  • 小売在庫データ:商品の可用性とマーチャンダイジング情報
  • ユーザーデータ:イベント、記事、コンテンツへのエンゲージメント履歴

AI処理層

Dataflowを使用して生のユーザーデータを変換し、Discovery Engineに投入する。Discovery Engineはコンテンツメタデータと行動シグナルを融合させてパーソナライズドレコメンデーションを生成する。チームはGoogle Cloudの事前構築済みAPIを活用し、専任のMLエンジニアを必要とせずに高度な推薦機能を実装した。

GSW APIによる抽象化層

「GSW API(Golden State Warriors API)」というミドルウェア層を構築し、Discovery Engineの出力を各種フロントエンドアプリケーションで消費可能にした。「一度構築、どこでも展開」の哲学に基づき、同じ推薦ロジックが以下を支える。

  • Warriors PlusおよびChase Centerモバイルアプリ
  • Chase Center Webサイト
  • CRMメールキャンペーン
  • 将来のIPTVやスコアボードシステムなどへの展開も視野に入れている

After

推薦エンジンの導入により、Warriorsはファン一人ひとりに異なるパーソナライズド体験を提供する体制を確立した。

パーソナライズドコンテンツの実現

「同じ会場にいる全員が、このタイルで異なるものを見る」という状態が実現された。Chase Center Newsではユーザーの興味とエンゲージメント履歴に基づいて記事を推薦。Upcoming Eventsでは、過去の行動から推定されたジャンル嗜好(ロック、ポップ、R&B、ファミリーショーなど)に応じたイベントを提案する。

限られたリソースでのエンタープライズ展開

従業員数600人未満の「テック企業ではない」組織でありながら、Google Cloudのマネージドサービス(BigQuery、Vertex AI、Firebase、App Engine)を活用することで、小規模チームによる運用負担の少ない高度なAIシステムを実現した。SADA(Google Cloudのパートナー)との協働により、ホワイトグローブなオンボーディングから実装までを支援してもらった。

データ駆動文化の醸成

ブランドヘルス、NPS(Net Promoter Score)、顧客満足度を継続的に追跡し、ファンからのフィードバックに基づいて優先順位を調整する体制を維持している。チームは「AIのためのAI」ではなく、消費者調査と組織の優先事項に基づいて年間数件の高インパクトプロジェクトに絞り込む厳格なアプローチを貫いている。

Warriorsは「まだ表面をかじっただけ」とし、今後は会場内の巨大スコアボード(2,500万ピクセル以上の北米最大級室内スコアボード)やIPTVシステムへのAIパーソナライゼーション展開を計画している。

公式出典あり この事例の効果数値は、企業のプレスリリースまたは公式発表に基づいています。 出典を確認

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公開日: 2024年6月1日

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